アメリカ研修旅行が終わりました。行く前は長いと思っていた旅行でしたが、終わってみるとあっという間のことでした。今回の研修では多くのことを学びましたが、その中から、いくつかに絞って、まとめてみたいと思います。
1.落ちこぼれ防止条例について
2.学校選択について
3.テクノロジーについて
4.感想
| 落ちこぼれ防止条例について 「今までの教育は、大部分の子供にとっては有効だった。しかし少人数の子供には不十分である。」との 考えから導入された制度であると伺いました。全員を落ちこぼさない。という考え方にはとても共感し、 (自分もそう努力しなければ)と強く感じました。 その話に、とても興味があったので、パートナー校でたくさんの先生がたや父母に話を聞きました。 その内容は、 ○考え方は、もちろんよいのだけれど方法が学校にとってはとてもシビアなものだということ。 ○そのために行う、全国統一テストに相当な時間が割かれるのだということ。 ○そのテストは子供の評価ではなく、学校の評価だと認識をしている父母もいるということ。 ○学校の特色と統一テストの内容とをすり合わせていくのが大変な苦労だということ。 ○学校がクリアできなければならない項目が32項目あり、1項目でも達成できず状況が変わらなければ情 報を公開されるということ。 テストの結果が悪ければ、メディアにも公開されるなど、日本では考えられないほど厳しい状況で、精一 杯教育を行っているのだな、と感じました。 どの子にも、同じスタンスに立って教育受けさせる。という考え方は、確かに大切だと思うのですが、今 まで培われてきた「個を大切にするアメリカの教育のよさを生かしたい」という現場の先生方の言葉もと ても心にしみるものでした。 ぽっとやってきた現場を知らない私には、何の意見を言う権利はないので、感想になりますが、 「この制度は、システム自体を大きく変えるのではなく、先生方の更なる努力を求めるものだということ。 そして、現場の先生方は、以前も今も日々本当に努力工夫をされて、子供のため最善の方法を考え、 奮闘している。」 ということに尽きると思います。 |
| 学校選択について(サイエンス フォーカス小学校) パートナー校は、ワークショップを行った学校でもあるので、この学校がどのような経緯を経て設立され たかは、ご存知の方も多いと思います。改めて説明しますと、 【学校設立の経緯】 ・15年前の調査で、理数系の落ち込みがこの学区で見られ、それを引き上げていくということが目的で 設立された。 ・また、保護者側からのいろんな学校を選択したいという強い願いがあり、近隣の3校がチームを作り計 画作りをし立ち上げた。 ・この学校は、学校内に住んでいる子供なら誰でも入れる、公立校である。 【学校の特色】 ・サイエンスとテクノロジーに重きを置いている。 ・知識を生かして、問題解決力を養う。 ・多様化した教育も奨励している。体のすべての感覚を通して学ぶことを大切にしている。 【学校選択について】 近隣3校の学区から選択してきている。と聞き 「では、他の学校の特色はなんだろうか。」 と思った方も多かったのでは、と思います。具体的な話は、聞くことができなかったですが、他校も回って 気づいたことがありました。 それは、言語指導に特色があり、それに伴って子供たちの人種が明らかに違っているということです。 サイエンス フォーカス小学校は、英語を第2言語とする子供がとても多く通っています。今年度モンゴ ロイドだけで52名の子供がいるほどで、その多様さは世界の縮図とでもいえるほどです。そのため、言語 に対しての支援をとても大切に考えており、まったく英語が話せなかった子供を3ヶ月で、片言の話がで きるように指導しています。 日誌にも書いてあるように、3名の先生によるTTや特別な言語教室を設けるなどの工夫も行ってい ます。 バレット小学校では、英語とスペイン語の2つのクラスに分けられて学習を行っています。もちろん、英 語も習得を図るため言語指導はサイエンス フォーカスと同様に行っていますが、スペイン語を第1言語 とする子供が学習内容を理解しやすいようにという配慮がこの学校の特徴です。子供たちの人種も大 まかに2種類に分けられているように思いました。 もう1校の教育システムは聞くことができなかったのですが、見学に行って感じたことはほとんどが白人 だったということです。 サイエンス フォーカス小学校は、理科に特徴があるすばらしい学校ですが、保護者の選択肢は実は、 言語教育の違いにあるのでは、と感じました。 ワシントンD.Cに近く、さまざまな人種が入り混じっている地域であること、まずは、英語を習得させる ところからスタートしなければならない。その大変さは日本では考えられないことでした。 しかし、子供の実態に即して、学校の裁量でシステムを工夫することができる。というところはアメリ カの懐の深さを感じました。 |
| テクノロジーについて 視察をしてとても感心したことのひとつに、テクノロジーを教育場面に効果的に取り入れているという ことがあげられます。 例を挙げると ○音楽の学習では、視覚、聴覚のどちらからでも子供が学ぶことができるように、コンピューターを使って 教材作りをしている。 ○図書館は、すべてコンピューターで管理されており、子供たちが簡単に検索をすることができるように なっている。 ○子供の描いた絵をアニメ化することができる。 ○毎朝、子供たちの手による、ニュースショーを行っている。 ○4年生からは、パワーポイントを使ったプレゼンテーションを行う。 ○もちろん、パソコン室には一人一人に当たるほどパソコンがありますし、無線ランのラップトップが16 台、教室にも2台ずつのパソコンがあります。 この地域には、アーリントンテクノロジーセンターという施設があり、先生方への支援を行ったり、地域 の教育に役立てたりしています。遠方でくることのできない先生のために、テレビを使っての講習も行っ ています。話をしてくださった責任者の方は、ケーブルテレビに自分のチャンネルを持っていていろんな 情報を発信しているのだそうです。 そういった環境をうらやましく思うとともに、一定の技術がない教員は、免許の更新ができないという 厳しさも知りました。 |
| 感 想 今回の視察では、本当に多くのことを学びました。 アメリカと日本とのシステムの違いに驚き、その中で抱える先生方の悩み、問題が日本ととてもよくに ていることに、さらに驚きを感じました。 その中で精一杯取り組んでいる先生方の姿に共感し、またおおいに刺激を受けてくることができました。 そして、これからは自分が学んだことを現場で生かしていく番です。 帰りの飛行機の中、あまりにもたくさんの時間があったことで、少し熱の冷めないうちに考えたことは、 @教科で学んだことを教科のみで終わらせず、他教科・総合・行事・そして生活場面に生かしていく事。 A少人数指導の取り入れ方を工夫し、効果的に利用すること。 B地域の人材・保護者などの協力が得られるよう、働きかけること。 C本当に必要な教材をそろえるために、計画的な購入計画を立てること。 D学年に応じた、情報機器の技能を身につけさせること。 Eそして、教材研究を怠らないこと。 以上の項目は、これからしっかりと心に刻んで取り組んでいこうと思っています。そして何より、E番。 今まで、自分が満足いくほどしっかりとした教材研究を行ってきたか?やれるだけのことはした。といつも いえるようにがんばっていきたいと思います。 最後に、このようなチャンスを与えてくださり、影から支えてくださったスタッフの皆様に感謝申し上げ ます。1年間がんばっていきます。本当にありがとうございました。 |
追伸 4月2日は大雪でした。桜やマグノリアに囲まれていたアメリカの春から一気に冬に
引き戻された気分です。釧路に桜が咲くのは5月も下旬のことです。皆さんお元気で。
また、6月に合えることを楽しみにしています。