2004年度 MTP活動報告
都立港養護学校 土田 律子

1 Lea Kitchener先生来校         ─ 6/18〜7/17
 初日、「顔が違うだけで、私の生徒と全く同じね。」と親近感を持ってくださった。4月から高等部1年の比較的知的障害の軽い生徒の教科学習で、週1回の理科の時間を設定し昆虫採取を行っていた。リア先生にも生徒と一緒に虫探しを含めて授業に参加していただき、初めの頃は照れて距離を置いていた生徒も自然に片言の英語を使って交流を試みるようになり、お別れ会では別れを惜しんでリア先生にハグをする生徒もいた。小・中学部の見学も設定し校外学習にも参加していただくなど、全校に交流の機会を持った。また、おもに管理職が都内近隣の様々な学校、施設や役所にリア先生を案内し、情報交換の機会を持った。夕食を御一緒しながら、同じ教員として様々な話を共有・交換することができた。日本、日本人、日本の教育について改めて気付かされることも多々あり興味深かった。

2 米国研修                       ─ 8/21〜8/29
 フロリダのOAK PARK SCHOOLをハリケーンの合間を縫うようにして訪問した。正味1週間の短い滞在だが、日々驚きの連続で目から鱗が落ちるような経験であった。帰国後に全校職員に向け報告会を開き、貴重な体験を紹介して数々の質問を受けた。年度末には校内配布の研究紀要にレポートを掲載し、今後の本校の教育に活用することになった。

3 テレビ会議
 時差が昼夜逆転の関係で、またどちらも登校が自立していない生徒たちなのでテレビ会議の日時設定が難しく、結局こちらは生徒とともにあちらは教員のみで交信した。オークパーク、水戸聾学校、本校の3校でつないで日本語・英語・手話を使っての会議を行うこともできた。リア先生・アンジー先生や、水戸聾の生徒さんの姿が映ると生徒たちから歓声が起こり、世界に目を向けるまたとない機会となった。12月、リア先生からいただいたクッキーミックスを調理し、「アメリカのクッキーは甘くておいしい。修学旅行はアメリカに行って、アイスクリームを食べたい。」、と素直な感想が聞けた。3学期には、1年間の学習のまとめとして校庭・畑で見つけた昆虫の記録をパワーポイントにし、学年集会の場で発表会を行った。10人の生徒たちが協力し合って行い、その成長ぶりが感じられた。アスファルトに覆い尽くされたまさに都会の真ん中の本校にも、これほど様々な虫たちが生息していたことは生徒たちだけでなく教員にとっても小さな驚きであった。

4 終わりに
 リア先生を本校に迎え私たちもオークパークスクールを見学して、互いに納得し合ったのは、違っていてそれぞれいいのだということであった。生徒たちは同じ、教員の気持ちも同じ、でも文化的背景が違う、生徒たちが将来生きていく社会も違う。リア先生は「あなたたちの生徒さんの笑顔がとても素敵。きっと先生方のリフレクション(反映)ね。」と言ってくれた。私には、オークパークの先生方が毅然とした態度で生徒に指示を与え、指示が通ったとき生徒に対し”Thank you ”と言う礼儀正しさが印象的だった。お互いの良さを学びあい先入観を捨てて教育を考えるきっかけを与えてくれたMTPに参加でき、心から感謝の気持ちを申し上げたい。