| アクティビティ | |
| 06:30 | パソコン、情報機器はホテルに預ける(テロ防止対策) |
| 07:00 | ホテルロビー集合(パスポート・名札持参) |
| 07:15 | バスでホテル発 |
| 教育省見学 | |
| 08:15 | 朝食 |
| 09:15 | 合同オリエンテーション |
| 昼食 | |
| 16:15 | オリエンテーション終了 |
| 16:45 | バスでホテルへ |
| パートナー校と夕食 |
| 教育省には、パソコンはもちろん、デジカメも持参できなかったため、夕方まで写真がなく、残念である。 | |
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寿司割烹 「かわさき」にて アメリカ側の三先生は天ぷらには舌鼓を打っていた。(高校のシンディ先生はSony製のDVDビデオ機を持っていて、動画・静止画像を自在に撮り分けていた) |
■3月19日(金)−研修第4日目
【入館】
今日はワシントンでの研修のメインの米国教育省でのプログラムのある日である。朝6:45にロビーに集合して出発した。教育省の玄関は教育をつかさどる機関らしく、赤いかわいらしい家の形をしていた。そしてその家の上には「No Child Left Behind」と書かれた標語が掲げられていた。アメリカでは、収入・人種・その他の社会的背景により、様々な形で学校についていけない生徒が出ているという。そうした生徒をなくすため、「おちこぼれ防止条例」というのが出され、そのスローガンだという。
教育省の建物にはいるのには、厳しいセキュリティチェックが行われていた。事前の説明でパソコン・カメラなどの一切の電子機器類の持込が禁止されており、エックス線による検査・パスポートによるチェックも行われた。私は15年ほど前にワシントンを訪問した経験があるが、シカゴの空港やスミソニアンの博物館でも感じたことだが、あの9・11の惨劇以来、アメリカの社会は確かに変わったようである。
【あいさつ】
1.Dr.Ron Tomalis(米教育省長官付顧問)
トマリス氏は上述した「No Child Left Behind」プロジェクトの中心人物である。氏は、今までの教育のシステムは大多数の生徒にとっては良かったが、一部の生徒が取り残されている。とその社会的に背景に言及しながらプロジェクトの意義を説明され、このFMF MTP様な教師間の交流のプログラムにより他国の教育制度を学んだことが多くの生徒に還元されることを期待している旨を述べられた。年功序列という側面が残る日本とは異なり、かなり若い方が政策決定の中枢にいることに驚かされた。
2.長野統括官(日本文部科学省統括官)
TV会議の形で、東京のFMFの事務所と結ばれて行われた。長野氏はFMFを管理している日米教育委員会の委員長もつとめられている。この動きはかなりぎこちないもののMTPでは、日米間のパートナー校を結んでのTV会議が義務付けられているが、
1万Km以上離れた東京とワシントンを結んで、会議が行われたことに感心した。
3.神尾氏(在米日本大使館代表)
神尾氏は2004年が日米和親条約が結ばれてから150年の記念すべき年にあたり、FMFのMTPが実施されることは意義深いと語り、また、このプロジェクトを米国側が期待をもって応援していると述べた。その例として、ワシントンポスト紙が2003年11月にFMFについての全面広告を無料で提供し、また同じ日にこのプロジェクトの研究校を紹介する記事が出たこと、また、ワシントンDC地区から日本に派遣される6名の先生の必要経費の提供を申し出たことなどを紹介された、
【講 演】
4.Dr.Meyer(米教育省)
マイヤー氏はこのプロジェクトの開始時からの協力者の一人である、当初は6名の参加で、氏のオフィスに十分に入ってしまう程度の人数であったと述べ、今年のように数多くの先生が参加するプログラムに発展したことを喜んでいる旨を述べられた。
講演「ミレニアム世代の子どもたち」の要旨
Millenialsとは、1976年から2000年までの間に生まれた3歳から24歳の約1億人のアメリカの子どもたちである。この世代は人口の36%を占め、特にマイナリティーが31%と多いのが特徴である。この世代にはこれまでにはない、世代としての特色がある。それは、自分の生き方を自分で選べるようになった世代であるということだ。
家族のきずなの重視、外国への興味の高さ、自国だけではなく他国の情報もニュースソースとして活用し、ボランティアや地域活動に積極的であり、9・11の惨劇にもかかわらず、未来に対して楽観的に考えている者が多いという特色を有している。また、彼らは積極的に情報を収集することで親が物を買う時の決定に影響をあたえており、高校生では20パーセントが株を持っているという。
こうした Millenialsと呼ばれる世代の登場の背景には情報機器の発達が関係している。この世代の特色は高校では94%の者が大学進学を志し、勉学への熱意が高い者も多い反面、高校中退者が11%も出ている。意欲の高い者、低い者という二極化が進展する一方、情報機器の発達によりインターネットのように学校以外でも自由に情報をえることができるようになることで、学校に対する興味が意欲のあるなしにかかわらず、減少してきているという。
さらに、ここ数年情報機器に触れる機会は5歳児でもおおくなっており、13歳から24歳の世代では、情報を受身で得るテレビに費やす時間よりもよりも自らの意志で情報を選択するインターネットをする時間が多い者が多くなっており、高校では94%の生徒がインターネットをレポート作成時に使うという。また、日本訪問時にはカメラ付き携帯の普及に驚いた。しかし、インターネットについては、多くの親が子どもにとって必要と考えているが、一方その使用方法をめぐって子どもとの争いを経験している。このように情報機器の成長に対応して、情報の選択のあり方に付いても議論が必要である。
こうした情報機器の使用にはそれを購入する一定の収入が必要であるが、低所得者層の子どもは、こうした時代の流れから取り残されている。こうした Millenialsへの対しては従来のやり方ではない、新しい授業の展開方法が必要である。
【昼 食】
高校チームの4人が椅子を向かい合わせて昼食をとる。セントチャールズやミズリー州のことを説明してもらう。
【講 演】
1.ビデオ会議のシステムについて ゲーリー・ゴンドロフィ氏
氏は「この虫なあに」のプログラムの推進者である。TV会議の進歩の歴史を使用するソフトの変化を説明しながら、今年からYahoo Messenger を使うようになった経緯を説明した。特にコスト面が強く配慮されたのが分かった。
2.事例発表
気仙沼市立面瀬小学校の及川先生と、ウィスコンシン州のリンカーン小学校のベッキーソ先生より、「フラクタル」の拡大についての説明があった。「フラクタル」とは学校外の協力者のことを指す。面瀬小学校では下記のような階層でのフラクタルの作成がなされたという。
@ 地域レベル→地元のネイチャーセンター(海洋生物の権威横山先生の協力)
→東北電力・建築師協会・地元のマグロ漁の漁協
A 行政レベル→気仙沼市教育委員会
B 県レベル →宮城教育大学環境教育センター、仙台市科学館
仙台とのTV会議を実施。
C 国レベル →この2月にMTPの公開研究会を実施、リンカーン小学校とのTV会議に文部科学省の長野統括官が参加。
D 国際レベル→ユネスコとの国際会議の実施
ウィスコンシン大のウィリアム教授を招き、面瀬小学校のコメンティターをしていただいた。国連大学のヒンケル学長も参加。
また、リンカーン小学校のベッキー先生は、フラクタルの必要性について下記のように述べている。
@ プロジェクトを進める上で、地域の人々の賛同を得ること。
A 大学・企業などの専門家の協力を得ること。
ファストプラントの開発者であるウィスコンシン大マジソン校のDr.William の協力を得た。
B こうした協力体制はすぐに確立されるものではなく、我々も3年かかったので、時間をかけて創りあげていくことが大切である。
FMFからも、フラクタルを創りあげるにあたって、協力者に対してFMFの名前を使ってよいこと。そして、プログラムに価値があれば必ず協力してくれるので、失敗を恐れずに挑戦して欲しい旨が述べられた。
本校の場合、まずは同じMTPの学校と横の連携をとること。また、大学との提携としては、高大連携でお世話になっている東京農工大学や近くにある東京学芸大学との連携がまず考えられるが、日本に帰ってから煮詰めていかなければならない課題だと感じた。
3.タブレットコンピューターを使用した実例紹介
ジョーンズ博士がタブレットコンピューターの教育への応用の可能性について、この場で実演してみせた。機動性に富むため、授業の様々な局面での利用が可能になると考えられる。
特に教員からの一方的な知識の伝達に留まらず、生徒からも教員のコンピューターに入れるという双方向性が大切であろう。いずれにしても、教員が板書だけで授業を進めていく方法以外の多様な道を考えていかなければならないであろう。
しかし、ジョーンズ博士が述べたように、知識創成が目指すものはコンピューターを使うテクニックではなく、コンピューターを使って人に考えさせることである。コンピューターを使うことによって、人間と人間のコミュニケーションが疎外されることがあってはならないと感じた。
4.知識創成キットについての説明
文部科学省が推進している総合学習は下記の4つの点を目指したものである。@環境教育、A国際理解教育、B地域との連携による教育、CIT技術の教育である。FMFが進めている知識創成のプロジェクト、並びに知識創成キットは、上記の全てを満たすプログラムとして考えられている。と総合学習との連携が強調されていたように思う。
次にコア・プロジェクト(全員が共通で取り組む)とペア・プロジェクト(パートナー校の間でテーマを決定する)の内容について説明があった。また、研究方法についての注意点として下記のことが指摘された。
@ 研究計画書の作成
大学などでの研究と同じように、生徒たちに自主的に取り組ませる。できれば、その計画書について第三者の評価がなされることが望まししい。
A 自己評価書の作成
生徒がチームの中で自分が何をできるのかを考えさせるのが目的である。
最後にジョーンズ博士は、日本ではこれまではテスト教育、すなわち覚えることが中心の教育が重視されてきたが、今後はコミュニケーション能力を重視したものへと変化していくであろう。しかし、言葉と言葉、身体と身体というコミュニケーションも大切である。それゆえ、技術とコミュニケーションは持ちつ持たれつの関係にあることが再度強調された
【各校の自己紹介】
成田でも行ったチェックイン・チェックアウトのやり方で自己紹介をした。最初に15分のパートナーと相談する時間が与えられた。高校チームは、日米がお互いに紹介しあうことと決めた。また、シンディの提案で「むかで」の形で登壇しようということになった。ユーモアを大切にするアメリカ人らしい提案である。日本語でやればよいと思っていたが、紹介が進むにつれてほとんどの学校が英語だけで紹介しているので驚いた。こんなことなら日本で準備してくればよいと思ったが、時すでに遅し。即興で英語で話すことにした。
4人がつながって、ムカデの形で登壇したが、聴衆は何のことか分からなかったようである。とにかく何とか終わってほっとした。しかし、英語の先生ではない人も多いであろうに、しっかりとした英語を話す人が多いので驚いた。しかし、上手に英語を話すことだけが大切ではないことは、聴衆の反応をみればあきらかである。特にアメリカではユーモアのセンスが大切である。
これはアメリカ側の高官の方々のスピーチでも、各所にこうしたユーモアのセンスがちりばめられている。
【異文化コミュニケーションについて】
最後に、ジョーンズ博士より異文化交流の難しさとその大切さについて講演があった。
博士は日本の文化の特色を「建前と本音」の文化。アメリカの文化の特色を説明好きの文化と表現し、日米の例を具体的にあげながら、その違いに言及した。そして、結論として日米のやり方は違うのが当たり前で、このようなことをしたら相手の国で失礼ではないか、あるいは笑われるのではないかという心配が無用であり、そうした心配に対して肝要であることが必要とされた。
【夕 食】
昨日、アメリカの先生に立派なステーキハウスに連れていっていただいた御礼に日本料理の店に、小中高すべての日本側・アメリカ側の先生・マギーの旦那さんが集まって行くことにした。シンディに手伝ってもらって予約を入れる。
ホテルから歩いて10分ぐらいの市街地にある寿司割烹で、久しぶりに日本の味でほっとした。寿司とてんぷらがメインであったが、焼き鳥などは良かったが、寿司はなかなか口に合わなかったようである。日本人の我々からみると魚に味がないように感じられたがここはワシントン、仕方がないのだろう。シンディたちには気の毒であったが、日本料理というものがどのようなものかわかってもらえたと思う。